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請求・支払いタイミング設計

最終更新 2026年06月02日 / 40_新規事業/TERASU/請求・支払いタイミング設計.md

TERASU 請求・支払いタイミング設計

TERASUは「前払いモデル」。クライアント入金がメンバー支払いより常に先行する構造で、運転資金ゼロ + フロートを生む。


30秒で全体像

観点 一言
核心 初期費用は制作開始前に全額前払い。低単価×高回転モデルは前払いが前提で初めて回る
キーワード 前払い一括 / クライアント入金先行 / メンバー後払い / フロート / 自動課金
使う人 経営者 / CFO / 経理 / FS
読了目安 4分

HP制作業界の請求タイミング 5パターン

# パターン 構成 採用事業
1 着手金+納品時 50:50 or 30:70 制作会社の標準(中小〜大手)
2 全額前払い一括 契約時100% 低単価・サブスク型・スピード重視
3 3分割 着手30+中間40+納品30 大型案件(100万超)
4 完全後払い 検収後100% 信頼関係ある常連のみ(リスク高)
5 初期0円+月額のみ サブスク完結 ノーコード/サブスクHP系

→ 業界主流は ①着手金+納品時。TERASUは ②全額前払い一括を採用。


TERASUの確定設計(契約書ドラフト準拠)

■ 初期費用 ¥110,000(税込)
  → 契約締結日から7日以内に全額前払い(制作開始より前に入金完了)

■ 月額 ¥11,000(税込)
  → 公開日の翌月分から発生(公開月は課金対象外)
  → 当月分を当月末日までに支払い【2026-05-19 確定・旧「翌月末払い」から改訂】
  → 法人の支払サイト都合で翌月末払い希望時は協議可(例外条項)

2026-05-19 大串確定:月額は「当月分・当月末払い」
例:10月分は10月末まで。発生起点は「公開翌月分から」を維持(初月の徴収トラブル防止)。
旧契約書ドラフト(翌月末払い)より月額CFが1ヶ月分前進。契約書第3条3項・別紙5(2)を同時改訂済。
月払いは少数派の割高オプション。請求最適化の主軸は年間一括(前受)で取る方針は不変。

評価

観点 評価
キャッシュフロー 最強。制作前に現金が入る=運転資金ほぼ不要
取りっぱぐれリスク ゼロ(入金後着手)
業界的な正当性 低単価・サブスク型では前払い一括は標準
クライアント心理ハードル 「完成前に全額」に渋る人は出る → デモ100種で品質担保

この前払い設計は変えない。 着手金分割にすると督促コスト・未回収リスクが低単価モデルの利益を食う。


メンバー支払いタイミング設計

コスト(ユニットエコノミクス準拠)

  • 制作担当:初期 ¥20,000〜30,000 / 月 ¥3,000
  • PM:初期 ¥10,000 / 月 ¥2,000

鉄則:「クライアント入金 → その後メンバー支払い」の順序を死守

パターン メンバー支払い基準 キャッシュ影響
A(採用) 月末締め・翌月末払い(納品完了案件のみ計上) クライアント入金が30-50日先行 → 常にキャッシュポジティブ
B 納品完了の即時払い 入金とほぼ同時 → 中立
C 着手時一部前払い 入金前に出ていく → 黒字倒産リスク

Aで固定。「月末締め翌月末払い・納品完了案件のみ」。


月10件時のキャッシュフロー試算

項目 月額 タイミング
初期費用入金 ¥110,000 × 10 = ¥1,100,000 契約後7日(制作前)
制作担当支払 ¥25,000 × 10 = ▲¥250,000 翌月末
PM支払 ¥10,000 × 10 = ▲¥100,000 翌月末
入金〜支払ラグ 約40-50日 この間キャッシュ滞留

→ 運転資金ゼロで回る上に、常時数百万のフロートが生まれる。利益全額広告再投資戦略2026-04-28_TERASU戦略メモ)と完全に噛み合う。


詰めるべき論点

1. 月額の回収手段(月100件で破綻する箇所)

  • 現状=銀行振込・手動消込 → 100件規模で消込作業が破綻
  • Stripe / 口座振替の自動課金を早期導入。初期費用も決済リンク化で入金確認を自動化
  • 2026-04-30_TERASU_セルフ販売戦略 と整合

2. 初期費用「公開前 vs 公開後」入金

  • 現状=契約後7日(公開前)
  • 渋り客向けフォールバック案:「契約時5万 + 公開時5万」の2分割を例外許可(原則は前払い一括を崩さない)

3. 月額の発生起点

  • 現状=「公開日の翌月から」=制作が長引くほど月額発生が遅れて損
  • → 制作SLA(1ヶ月以内納品)順守インセンティブとセットで管理

決済手段の確定方針(2026-05-16 改定)

Stripeは不採用。 決済アクワイアラはアカウント凍結リスクがあり、CFが生命線の事業では事業前提を断つリスク。

MOSH等プラットフォーム決済の不採用理由(2026-05-16)

MOSHはTERASU不向き。品質問題ではなく用途ミスマッチ。

  1. MOSHの決済基盤はStripe(Stripe Connect) → Stripeを外した判断と論理矛盾。むしろプラットフォーム上のサブアカウント扱いで凍結時のコントロール・復旧が直Stripeより弱い
  2. BtoC個人事業主向け設計 → カード中心・与信/後払いなし・「個人がレッスン売る」UIトーン。法人に¥11万を売る現場でブランド毀損+BtoB請求慣行(請求書/銀行振込/口座振替)に非対応

→ BtoBで「ノーコード決済」役を担うのは請求代行(請求まるなげロボ/マネフォ ケッサイ/Paid)。カードアクワイアラでないのでStripe型凍結が構造的に起きない。

年間一括を主力にした時点でカード決済自体が不要になる。MOSHもStripeも検討対象から外れるのが一番きれいな構造。

月額回収手段の比較

手段 凍結リスク 事務負荷 入金保証 手数料 向き
請求代行(請求まるなげロボ/マネフォ ケッサイ/Paid) 低(資金を預からない) ゼロ あり(与信保証) 2-4%+月額 月20件〜の主力
口座振替(収納代行・リコーリース/SMBC等) 極小(銀行系) なし ¥150-300/件 長期・大規模で最安
手動請求書+銀行振込 なし なし ほぼ¥0 〜20件の初期のみ

→ 請求代行はStripeのようなマーチャント口座凍結が構造的に起きない(請求書発行→回収→未払い保証のサービス)。〜20件は手動請求書、20件超で請求代行へ移行が王道。

定期銀行回収の3方式(2026-05-16)

方式 仕組み 手数料 リードタイム 標準的な用途
口座振替(自動引落) 顧客が依頼書提出→毎月自動引落 ¥100-300/件 1-2ヶ月 サブスク月額の圧倒的標準(収納代行経由=リコーリース/SMBC/三菱UFJファクター/JACCS等)
都度振込+バーチャル口座 顧客別の専用口座番号で自動消込 決済代行による 短い 消込自動化したいBtoB
請求代行(口座振替内包) 発行〜回収〜督促〜与信保証を丸投げ 2-4%+月額 事務ゼロにしたいBtoB

サブスク定期回収の標準=口座振替(収納代行経由)。「顧客が毎月手で振り込む」のではなく自動引落。銀行直接契約は実績要件が重く、スタートアップは収納代行経由が現実解。初回引落まで1-2ヶ月ラグ→初月はブリッジ請求書で埋める。

年間一括を主力にすると定期設定がそもそも不要(年1回振込・バーチャル口座で消込自動化すれば十分)。口座振替/請求代行は月払い少数派が増えてから導入で間に合う。

対象 推奨手段
年間一括(主力) バーチャル口座(年1回・消込自動・導入早い)
月払い〜20件 手動請求書+銀行振込
月払い20件超 請求代行(口座振替内包・与信保証)

手動請求書の限界(規模判定)

規模 判定
〜20件 アリ(freee/マネフォで半自動発行+手動消込)
20〜50件 ダルい・属人化
50件〜 消込破綻・督促コスト・貸し倒れ発生

月10件積み上げ → 1年後≈40-80継続契約(継続率70%)。手動は1年以内に限界。


年間一括プランを「標準」に据える(本命方針)

年間一括にすると請求が年1回=月次請求のダルさが構造的に消える。CF・解約防止・事務ゼロを一撃で解決。

料金設計案

構成 年間支払額 実質月額 粗利率 採否
通常(月払い) 初期¥110,000 + 月¥11,000 ¥242,000 ¥20,166 57% 割高オプション化
A. 2ヶ月分サービス 初期¥110,000 + 月¥11,000×10 ¥220,000 ¥18,333 52% 推奨
B. ポッキリ訴求 年間¥198,000(初期込み) ¥198,000 ¥16,500 47% 推奨
C. 初期無料訴求 初期¥0 + 年¥165,000 ¥165,000 ¥13,750 <47% 非推奨

年間一括の効果

効果 内容
CF 12ヶ月分を制作前に全額前受。月10件で契約時フロート≈¥2.2M/月
請求事務 年1回=ダルさ消滅。消込も年1回
解約防止 1年コミット → 解約率激減 → LTV安定
貸し倒れ 前受なのでゼロ
明朗会計 「年¥198,000ポッキリ・追加なし」が最強コピー(全部込み_明朗会計戦略

戦略:年間一括=標準 / 月払い=割高オプション

SaaS定番の逆設計。年間一括を正面に出し、月払いを実質2割高(年換算¥242,000)として提示 → 顧客は自然に年間一括へ流れる。


CF最大化設計(法的ライン内・2026-05-16 追記)

アウトフローは60日ルールで天井。CF改善の伸びしろは全部インフロー側。

法的限界

やれること 天井
インフロー前倒し 前払い化・即時決済・一括前受 ほぼ無制限(BtoB契約自由)
アウトフロー後ろ倒し メンバー支払い引き伸ばし 給付受領から60日以内が絶対上限(フリーランス新法/下請法)

インフロー3レベル

レベル1(即やる・全顧客標準)
- 初期費用:契約後7日振込 → 契約と同時にStripe即時決済(DSO 0日・未回収消滅)
- 月額:公開翌月後払い → 毎月1日にStripe前払い自動課金(入金1.5-2ヶ月前倒し・回収作業ゼロ)

レベル2(オプション・標準化狙い)
- 6ヶ月一括前払い:初期¥110,000 + 月額6ヶ月¥66,000 = ¥176,000を制作前に全額確保
- 心理対策:1ヶ月分サービス等の割引フック

レベル3(最強・選択制)
- 年間一括前払い:初期 + 月額12ヶ月 → 割引して ¥220,000契約時一括(2ヶ月分サービス)
- 12ヶ月分を制作前確保 + 解約ゼロ + 貸し倒れゼロ

→ 強制せず「月払い/6ヶ月一括/年間一括」の3択で美味しい方へ自然誘導。ライト層を取りこぼさない。

アウトフロー(これ以上は違法)

  • メンバー支払い=納品完了月の翌月末払いで固定(受領から最長59日・60日ルールギリ合法の最大引き伸ばし)。翌々月末は違法。

月10件 CFポジション比較

現状 レベル1 レベル2標準化
1件制作前確保額 ¥110,000 ¥110,000 ¥176,000
月10件フロート 約¥1.1M 約¥1.1M+月額前進 約¥1.76M
回収・督促コスト 100件で破綻 ゼロ ゼロ
貸し倒れ あり ほぼゼロ ゼロ

注意点

  • 6ヶ月/年間一括は前受金(負債)計上→役務提供月ごと売上振替(一括売上計上は粉飾)
  • フリーランス新法:支払60日厳守+書面発注明示義務
  • インボイス:Stripe請求書にSCALE登録番号 T2010401176238 記載
  • 一括前払いは「全部込み・明朗会計」とセットで「年間◯円ポッキリ」訴求

推奨アクション

  1. レベル1を即標準化(Stripe導入+月額前払い化)← 最大ROI
  2. レベル2/3を3択プランとして商品設計(全部込み_明朗会計戦略と統合)
  3. メンバー支払い「納品翌月末」を契約書・業務委託書に固定明記

納品前請求の法的根拠(2026-05-16 追記)

結論:事業者間契約なら納品前の全額前払いは法的に全く問題ない。
※弁護士ではない整理。契約書確定前の弁護士レビューは前提(契約書ドラフトに明記済)。

OKの3根拠

# 根拠 内容
1 契約自由の原則(民法521条) 事業者間は支払条件を自由設定可。前払い禁止法は存在しない
2 民法633条は任意規定 請負の「引渡しと同時払い」原則は合意で上書き可。契約書第3条2項で前払い明記済
3 BtoB=消費者保護規制の対象外 消費者契約法・特商法(前払式)・資金決済法はいずれも消費者向け。契約書17条で事業者間契約と明記

注意点

論点 対策
信頼リスク(心理面) デモ100種・法人運営・SCALE実績で担保
前受金の会計処理 入金時「前受金(負債)」→ 納品時に売上振替
履行不能時の返還義務 契約書に返金条項を明記(民法上の返還義務)
下請法(別軸) SCALE→メンバー委託は下請法。支払60日以内等を別途遵守

実務標準

STUDIO / ペライチ / サブスクHP各社も初期費用前払い・クレカ即時決済が標準。制作会社の着手金前払いも古くからの慣行。TERASUの前払い設計は法的にも実務的にも正当。


関連ノート


関連MOC


TERASUの前払いモデル = 顧客が運転資金を肩代わりする構造。
低単価×高回転は前払いが前提。崩さず、回収自動化(Stripe)で100件規模に備える。