ベンチャーの心得
0. はじめに
このマニュアルは、SCALEに深く関わってくれる事業メンバーの方に向けて作成したものです。弊社がどんな考え方で動いているか、何を判断基準にしているかを、そのまま書き下ろしました。
まず正直に伝えておくと、SCALEはベンチャーです。大手企業のような整備された環境はありません。決まったやり方もなければ、丁寧なOJTもない。答えのないまま動くことが日常で、昨日の判断が今日変わることも普通にあります。
それでもこの会社を立ち上げ、ここまで走ってきたのは、壮大なビジョンがあるからです。その想いに共鳴して一緒に走ってくれる人を、事業メンバーとして迎えています。
このマニュアルを渡しているのは、ぜひその一員になってほしいからです。読んでいて「厳しいな」と思う部分もあるかもしれません。でもここに書いてあることが弊社の実態であり、私たちが大切にしていることです。
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30秒で全体像
| 観点 | 一言 |
|---|---|
| 核心 | このマニュアルは、SCALEに深く関わってくれる事業メンバーの方に向けて作成したものです。弊社がどんな考え方で動いている... |
| キーワード | SCALEが求めているのは「結果を出す人」 / モチベーションより、まず行動 / DDDDDDDDCA — PDCAより「動く」こと / 「質」より先に「量」 |
| 使う人 | 全社員 / 経営者 |
| 読了目安 | 5-7分 |
【PART 1】マインドセット — ベンチャーで戦うための思考法
1. ベンチャーにおける「結果」がすべて
SCALEが求めているのは「結果を出す人」
SCALEで最も大切なことを一言で言えば、「結果を出すこと」です。
大手企業では「プロセスを守ること」「前例に従うこと」が評価されるかもしれません。SCALEでは違います。
どんなに努力しても、どんなにプロセスが正しくても、結果が出なければ評価されません。なぜなら、ベンチャーにとって現状維持は「死」と同じだからです。毎年成長しなければ、会社は沈んでいきます。
モチベーションより、まず行動
「やる気が出たら頑張ります」という考え方は、ここでは通用しません。順序が逆です。結果が出るから、やる気が出る。
やる気を待ってから行動するのではなく、やる気がなくても行動することで、やがてやる気はついてきます。ゲームのステージをクリアするような感覚でいい。コツを見つけ、打ち返し、前に進む。
2. 他責思考を捨てる
結果が出ないとき、環境や他人に原因を求める人がいます。「指示が曖昧だった」「あの人が動かなかった」「タイミングが悪かった」——これらはすべて、他責思考のサインです。
他責思考の人は、永遠に成長できません。なぜなら、変えられるのは自分だけだからです。「自分が何を変えれば結果が変わるか」 を考える人だけが前に進めます。
何か問題が起きたとき、最初に「自分にできたことはなかったか」を問う習慣を持つ。これだけで、問題への向き合い方が根本から変わります。
3. 「当事者意識」が全員に求められる
組織の中で問題が放置されるとき、その多くは「誰かがやるだろう」という空気から生まれます。「自分がやる」という意識を持った人の数が、組織の強さを決めます。
部署や役割の壁を越えて、問題に気づいたら動く。それがSCALEで生き残る人の共通点です。会社の課題を自分の課題として引き受けられるかどうか——それが、ただの社員と幹部の最大の違いです。
4. 「熱量」と「スタンス」が信頼をつくる
言われたことはやる、ルールは守る——それは最低限です。「やれることはすべてやる」くらいの熱量で仕事に向き合っているかどうかが、信頼の差になります。
ベンチャーで働いていれば、必ずしんどい局面が来ます。悔しい・悲しい・腹が立つ——そういった感情を「なかったこと」にしなくていい。感情を認識したうえで、それをエネルギーに変えて行動に向かわせることが大切です。
不満を感じたら「では自分はどうすべきか」を5秒考える。それだけで、評論家から改革者に変われます。
5. 「素直さ」だけは手放さない
ベンチャーでは毎日「誰に仕事を振るか」という判断が行われています。素直に動ける人、フィードバックを受け取れる人——そういう人に、重要な仕事が集まります。
「無茶を言われなくなった」と感じたら黄信号です。 それは相手があなたを「言っても聞かないやつ」と諦めた証拠です。
【PART 2】行動・実行
6. スピードが唯一の武器
DDDDDDDDCA — PDCAより「動く」こと
SCALEは大手ではありません。資本も人員も、大企業には及びません。だからこそ、私たちの最大の武器は「スピード」です。
大手が1年かけてやることを、私たちは1ヶ月でやる。まず動いて、素早く修正するスタイル。
「質」より先に「量」
仕事の質を上げたいなら、まず量をこなすことです。量をこなさずに質は上がりません。
7. 仕事は「なんとかする」こと
SCALEでは、こんなことが日常茶飯事です:
- 「納期まであと2日なのに、デザインが変わった」
- 「やったこともないのに、新商品のLP開発を命じられた」
- 「採用担当じゃないのに、SNSで採用投稿もしてくれと言われた」
こういった無理難題を「どうにかする力」こそが、ベンチャーで最も求められるスキルです。「できません」は最後の手段。まず「どうすればできるか」を考える。
経営者直々の依頼は、あなたが信頼されている証し。30点でいいから早く形にして見せる。
8. 経営者の指示には「なんでも食らいつく」
「納得できたら動く」は通用しない。指示されたから動く。指示が変わったから変える。あなたが行動する理由は、それだけでいい。
SCALEでは、経営者の指示が突然変わることがあります。朝に決めたことが夕方には変わることも珍しくありません。経営者にしか見えていない景色があるからです。「なぜ変わったんですか?」と問い詰める前に、まず動く。
大切なのは、経営者の判断を「正しいかどうか」でジャッジすることではありません。その選択を信じて全力で取り組み、結果として「正解」にすること。
9. 権限は「奪うもの」
権限を与えられてから動くのではなく、動いた先に権限がついてくる。
「これやった方がいいと思うんですが、動いていいですか?」 この一言が言える人に、どんどん重要な仕事が集まります。気づいたことを放置せず、小さくてもいいから声に出して動く。それが自発性です。
10. 「評論家」ではなく「改革者」であれ
「もっとこうしたほうがいい」「この会社のここがおかしい」——そういうことを言うだけの人を「評論家」と呼びます。組織に評論家は必要ありません。
改善提案があるなら、自分でやってみることが大前提です。 小さくでいい。こっそりでいい。まず手を動かす。足を使う。行動してから、はじめてその言葉に意味が生まれます。
経営者が何より好きな言葉は「結果」です。
11. 数字で語れ
「なんとなくうまくいっている気がします」「顧客の反応がよかったです」——こういった報告は、ベンチャーでは評価されません。結果は必ず数字で語る。
数字が悪かったとき、原因分析で終わる人がいます。大切なのはそこではありません。「だから次はこうする」まで考えて、初めて報告になる。
12. 「仮説思考」で動く
情報が揃ってから動こうとすると、永遠に動けません。限られた情報の中で仮説を立て、素早く検証するサイクル。
「なぜ?」を3回繰り返すだけで、打ち手の質が劇的に変わります。
【PART 3】対人・組織
13. 信頼は「過去」が作る
人は相手の「今」ではなく「過去」を見て判断します。締め切りを守る。言われたことをきちんとやる。無茶な仕事にも応える——そういった積み重ねが信頼を作ります。
ビジネスの世界は他者評価がすべてです。 自己評価がいくら高くても意味はありません。
14. 評価されるための「作法」5つ
| 作法 | 内容 |
|---|---|
| ① 目標設定 | 自分が何をいつまでに達成するか、具体的に設定する |
| ② 任務遂行 | 期待の12割を出す |
| ③ 指示対応 | 経営者の指示には何がなんでも食らいつく |
| ④ 連帯形成 | 協調性のない人は、どれだけ優秀でも評価されない |
| ⑤ 職務越境 | 「それは私の仕事ではありません」はNGワード |
15. 報連相は「早く・短く・結論から」
ベンチャーで最も嫌われる行動のひとつが、報告の遅さ。悪い情報ほど、速く上げる。
まず結論、次に理由、最後に詳細の順で伝える。
「今月の受注は3件、目標比80%です。主因は〇〇で、来月はこう対処します」が正解。
16. 感謝と謝罪を惜しまない
「ありがとう」と「すみません」が言える人は強い。
「はい」だけで終わるより、「時間を取ってもらって申し訳ないです。〇〇までに改善します」と伝える。
17. 上下関係と配慮を理解する
上司や経営者に何かを依頼するとき、「相手がやりやすいように」準備するのが部下の仕事。
文面・メッセージにも配慮を。読みにくいメッセージは、相手の時間を奪います。
18. コミュニケーションの質を上げる
「伝えた」ではなく「伝わった」が基準。相手が理解し、行動に移って初めて「伝わった」になります。
自分の意見を一方的に話すより、相手の言葉を深く聞くことのほうが、コミュニケーションの質を上げます。
19. 「失敗」との向き合い方
失敗が少ない人は挑戦が少ない人と見なされます。問われるのは「失敗したかどうか」ではなく、「失敗から何を学んで次に活かしたか」。
失敗したら「即報告・原因分析・再発防止」。同じ失敗は絶対にしない。
20. 顧客との向き合い方
顧客の「言葉」より「課題」を見る。顧客が本当に解決したい課題は何かを考える——それがプロの仕事。
「言われていないけど、きっと必要だろう」を先回りして動くことで、顧客からの信頼は一段上がる。
クレームは「チャンス」。クレームに誠実に向き合い、解決した先に強固な信頼関係が生まれます。
【PART 4】成長・習慣
21. 自己成長への投資を惜しまない
変化のスピードに追いつけない人は、どんなに今優秀でも必ず陳腐化します。 「今の仕事で手一杯で、勉強する時間がない」——それは言い訳。
「自分の領域でトップクラスになる」 という意識を持てるかどうかが、分岐点。
22. 習慣化こそ最強の武器
毎朝4時起き、3時間の情報収集とアウトプット、365日休まず続ける。誰もやっていない時間帯に動いていること自体が、すでに差になっています。
意志力に頼らず、仕組みとして日常に組み込む。時間・場所・順番を固定する。
23. 情報収集と市場感覚を磨く
SCALEに関わる全員が、業界の解像度を持つことが期待されています。
実際に顧客と話す・現場に行く・自分で試すことで得られる一次情報は、誰の分析よりも価値があります。
24. 時間の使い方・優先順位の付け方
「忙しい」は成果の言い訳にならない。全員が忙しい。その中で何を優先して何を捨てるかが、プロの仕事。
本当に成果を出す人は、緊急ではないが重要なこと——戦略・採用・スキルアップ——に意識的に時間を確保している。
25. 健康・コンディション管理も仕事のうち
どんなに優秀でも、体調を崩せば何もできません。コンディション管理は「自己管理」ではなく「プロとしての責任」。
マラソンを100mダッシュのペースで走り続ける人は、必ず途中で倒れます。
【PART 5】リーダーシップ
26. 幹部として「組織を動かす」視点を持つ
自分ひとりで成果を出せる人が、必ずしも良いリーダーになれるわけではありません。
「もっとやる気を出してほしい」と思っているリーダーは、まだプレイヤー思考。やる気がなくても成果が出る仕組みを作るのが、幹部の仕事。
「悪い報告を歓迎する」リーダーのチームは、問題が早期発見される。
褒めるときは具体的に、叱るときは行動に対して。
27. 意思決定のスピードと精度を上げる
ベンチャーで組織が停滞する理由のほとんどは、意思決定の遅さ。60〜70%の情報で決断する。残りは動きながら修正する。
「やらないこと」を明確に決める判断力が必要。集中こそが、ベンチャーの武器。
28. 採用は全員の仕事
採用は人事担当者だけの仕事ではありません。 全員が採用を意識して動くこと。
採用媒体よりも、一緒に働く仲間からの紹介のほうが、ミスマッチが少なく、入社後の定着率も高い。
「この人が働いている会社なら入りたい」と思ってもらえる存在になることが、採用への最大の貢献。
29. SCALEが求める成長スピード
ベンチャーとして「成長中」と見なされるには、年1.5倍以上の成長が必要。5年で約72倍。
圧倒的な量と速さで動き続けることで、会社も個人も成長する。
30. 圧倒的な結果主義・だらけない精神
「まあいいか」「今日くらいは」——この積み重ねが、じわじわと組織を腐らせます。ベンチャーに「まあいいか」はない。
競合が寝ている間に情報を集め、考え、動く。その積み重ねが、気づいたときには誰にも埋められない差になっています。
圧倒的な結果主義を体に染み込ませた人だけが、この環境で本当の意味で輝けます。
おわりに
このマニュアルは、一度読んで終わりにしてほしくありません。毎朝1回、出社前や業務開始前に読み込む習慣をつけてください。
頭で理解することと、体で動けることの間には、大きな距離があります。 その距離を埋めるのは、繰り返しと実践しかありません。
あなたに期待していること
「ただ一緒に働いてほしい」ではなく、「一緒に事業を伸ばしていってほしい」と思っているから渡しています。
普通のメンバーではなく、事業の核を担う存在として見ています。厳しく感じる瞬間があるとしたら、それはそれだけ期待しているということです。
一緒にSCALEを大きくしていきましょう。