新規事業の責任者に求められる資質とは
新規事業の責任者に求められる資質とは
買わない理由を「成果物」に変える × 撤退条件・継続条件を事前に握る × 競合比較表で現実を可視化するで結果を変える。
30秒で全体像
| 観点 | 一言 |
|---|---|
| 核心 | 買わない理由を「成果物」に変える |
| キーワード | 買わない理由を成果物に変える / 撤退条件・継続条件を事前に握る / 競合比較表で現実を可視化する / AIプロに業務オペレーションを |
| 見るべき人 | 経営者 / 起業家 / 経営幹部 |
| 動画時間 | -分 |
一言サマリ
買わない理由を「成果物」に変える × 撤退条件・継続条件を事前に握る × 競合比較表で現実を可視化するで結果を変える。
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新規事業の責任者に求められる資質とは
全体の要約
新規事業カンファレンス第3部「他のプロに聞いてみたい新規事業のお悩み」をテーマに、複数の事業家・コンサルタントが実体験をもとに議論。テストマーケティングでの撤退判断の伝え方、生成AIの業務活用、新規事業のフィジビリティ検証(初動の重要性)、事業立ち上げ時の組織体制、そして新規事業責任者に必要な「頭脳」と「馬力」の役割分担について、具体的な事例とともに語られている。
結論として、新規事業を成功させるには「愛情を持って馬力で回れる人間」が1人いるかどうかが決定的に重要であり、20代中盤の若手の馬力担当こそが会社の宝である。
1. テストマーケティングの撤退判断と伝え方
買わない理由を「成果物」に変える
テストマーケティングで市場が厳しいと判明した際、クライアントへの伝え方が難しいという悩みに対して、断られた理由をヒアリングして成果物として提出するという方法が提案された。
光通信の元常務・山本氏の事例として、どんなに会社が大きくなっても既存顧客だけを取る営業マンだけでは不十分で、必ず新規でノックして「選んでもらえない理由」を引き出し続ける部隊を社長直下に抱えることが重要だという教訓が共有された。
アポが取れなくても、「買ってくれない理由」をインタビューして提出するだけで、営業代行として非常に高い価値がある。
撤退条件・継続条件を事前に握る
事業開始前に撤退条件と継続条件を明確に設定しておくことが重要。例えばFacebook広告の出稿条件で「集客のCPAが12万円を切ったら発注、そうでなかったらやめるか見直す」というように具体的な数値で合意しておく。
着手時点では冷静に判断できるが、プロジェクトが進むと感情が乗ってしまいやめにくくなる。事前に握っておくことで冷静な判断が可能になる。
競合比較表で現実を可視化する
レンタルSIMの事例では、競合サービス10社をリストアップし、比較軸を13項目出して一覧表を作成。全項目で最下位レベルだという現実を見せることで、先方も納得した上で「どの軸で戦うか」を相談する形に持ち込むことに成功した。
撤退を勧めるのではなく、「どこで戦うか」を一緒に考えるスタンスが重要。場合によっては料金見直しや商材設計の改善に繋がる。
2. 生成AIの活用と事業オペレーションへの組み込み方
AIプロに業務オペレーションを丸ごと相談する
自分でAI活用を考えるよりも、AIのプロに自社の事業オペレーションを話して「どこにAIを活用できるか」を提案してもらうのが効率的。技術のキャッチアップに時間を使うよりも、定期的にプロとの壁打ちを行う方が置いていかれないし、意外と効率化できる。
具体的なAI活用事例
SNS更新のコンテンツ生成、広告素材作成ではAdobe Firefly・Stable Diffusion・Midjourney等が活用されている。特にMidjourneyは日本人の実写素材を比較的高精度で生成できる。
SEO記事のライティングにはChatGPTやPerplexityを使用。品質ガイドラインを作成し、伝えたいことを箇条書きで書いてからAIにテキスト化させるワークフローが効果的。
営業の行動規範作成でAIに「足りないこと」を出させたら、自分で考えた3つに加えて5つの追加項目が出てきた。自分のクオリティが格段に上がる「感動ポイント」がある。
AI活用の弊害と対策
スタッフがAIで提案書を作成し、そのまま貼り付けて「自分がやった気」になるケースが発生。提案書の内容を3分でプレゼンさせると全く喋れないという問題がある。AIで作ったものを必ず自分で噛み砕く社内ルールを設けないと、仕事の質が低下する。
テレアポのロープレでの活用
ChatGPTの音声機能を使い、テレアポのロールプレイング相手として活用する取り組みが進行中。相手からの想定質問に回答できるかをAIと練習し、人による練習を最小限にすることでオンボーディング時間を短縮できる。
中流マーケターは淘汰される
下流(作業)はAIに、上流(コンセプト設計・人を動かす力)は人に。中流のノウハウだけを振りかざす中堅マーケターは本当に厳しくなる。
上流のコンセプト設計ではAIの出力の良し悪しを判断し、追加の対話で磨き上げる経験と能力が必要。この力がないと上流は担当できない。
3. 新規事業のフィジビリティ検証 ─ 初動がすべて
うまくいく事業は初動からいい
2年間で10個以上の新規事業を立ち上げた経験から、うまくいく事業は初動から良い結果が出るという法則が語られた。
「初動はイマイチだけど絶対行ける」と意地になっているやつは基本ダメ。テストマーケで見切るのが一番いい。
初動が悪かったものは2回目・3回目をやっても結局微妙。不完全なものでもその後伸びる事業は、初動から手応えがある。
モニター募集でテストマーケを必ず行う
新サービスのローンチ時は必ずモニター価格で小規模にテスト。悪くても言い訳できる形で安くして募集し、伸びるサービスはモニター段階でも問い合わせが殺到する。
テストマーケで結果が悪いのに「テストだから」と言い訳してしまいがちだが、実際は需要がなかった方がインパクトが大きい。当事者になるとこの判断ができなくなるのが難しいところ。
プロダクト作る前に売る
企画時に必ず「プロダクトを作る前に売る」を実践。例えばまつ毛美容液の検討時には、目の前で商品を説明して「6,800円だけど買うか」と聞き、買うと言ったら「今お金ちょうだい」というレベルまで確認した。
実際にお金を出すレベルまで確認して、それで買う人が何人かいなかったら実際にもいない。この検証をやった上で滑ることは経験的にほぼない。
ローンチ遅延はPMの問題か、売れない焦りか
新規事業のローンチが予定日から3ヶ月〜半年遅れるケースについて、根本原因は「売れてないから頑張って設計しよう」という心理が多い。売れていれば「売らないことが機会損失」と考え方が変わり、早く出したくなる。
新規事業はフルコミットではなく既存業務の空き時間でやることが多いため、納期はパツパツに設定しないとPMが急がなくなり、後回しになってグダグダになる。
4. 新規事業の組織体制と業務の切り出し方
全体PMは自分で、部分的に切り出す
新規事業の立ち上げは属人性が高く、範囲が広い。全体設計とPMは自分が担当し、SNS構築やLINE公式アカウント作成など部分的な作業を社員に切り出す形が現実的。
熱量のある人を当てないと絶対失敗する
新規事業にはその事業に熱量がある人を当てないと絶対に失敗する。その人がどれだけ興味があり、やりたいことなのかをベースに任せるべき。
育成は現実的に難しい
新規事業サポートの組織化は非常に難しく、自分が責任者・当事者としてやらないと身につかないことが多い。コンサルという外部の立場では、せいぜい80点を出せても230点のミスが出るリスクがある。
立ち上げ期であれば1人が全体像を分かっていないといけない。PMを他者に任せるとその部分の情報が欠損する。自分で全部やると割り切った方が結果的に早く済む。
5. 新規事業責任者に求められる資質 ─ 「頭脳」と「馬力」
愛情と馬力を持つ人間が1人いるか
新規事業で共通して成功に必要なのは「愛情を持って馬力で回る人間」が1人いるかどうか。意思決定で超難しいことを求められるタイミングは意外と多くなく、それは月次の定例ぐらいで済む。
頭脳担当が何人いても意味がない。頭脳は1人か2人で良くて、あとは馬力。新規事業に1人、若手の馬力担当がいるのはマスト条件。
馬力とは何か
例えばLPを作って導線確認で「このLPコンバージョンするか」のチェック。スマホを変えて確認、いろんなブラウザから入ってみるなど、当たり前にやった方がいいが手が回らないところまでやり切るかどうか。この馬力が新規事業の成否を左右する。
若い人の馬力は会社の宝
若い人は馬力を使うことに対してプライドがない(いい意味で)。片っ端からやっていくマインドが新規事業には不可欠。30歳を過ぎると効率を求めるようになるが、新規事業は効率を求めてはダメ。
ガッツがあって賢い20代中盤の若手は、本当に会社の宝。新規事業をうまくいかせるのは「おっさん」ではダメ。
30代以降の戦い方は変わる
30歳以降は意思決定が仕事になるため、相当高品質なアウトプットを出せないと頭脳担当として必要とされない。「2者択一を絶対見誤らない」ぐらいのレベルが求められる。
自分のインダストリーで「この領域は超詳しい」というポジションを作るか、超高品質なアウトプットを出し続けるか。30代以降で頭脳担当として美味しい利益だけ持っていくことは、下の人間が許さない。
経験者が新規事業をやると陥る罠
経験がある人が新規事業をやると、当たる確率が少ないことを知っているので「どうせダメだろう」と思って10個のうちの1つとして施策を回す。一方、若手は1つ1つの施策に本気でぶつかるから成功する。毎回期待値MAXで仕事するからうまくいく。
30歳を過ぎてプロダクトをやるなら、一旦自分が全部身を入れて見るマインドを持つか、超高品質なアウトプットを出せないとダメ。
実践に活かせるアクションポイント
テストマーケティング
撤退条件・継続条件を事業開始前に具体的な数値で握っておく。テスト結果が悪い場合は、断られた理由のヒアリング結果を成果物として提出する。競合比較表を作成し「どの軸で戦うか」を一緒に考えるスタンスを取る。
生成AI活用
AIプロに自社のオペレーションを説明し、活用できる箇所を提案してもらう壁打ちを定期的に実施する。AI生成物は必ず自分で噛み砕く社内ルールを設ける。テレアポのロープレにChatGPT音声を活用し、オンボーディングを効率化する。
新規事業の検証
必ずプロダクトを作る前に売る。モニター募集で初動の反応を見る。初動が悪い事業に固執せず、テストマーケで見切る判断力を持つ。ローンチ納期はパツパツに設定し、後回しを防ぐ。
組織・人材配置
新規事業には頭脳1〜2人+若手の馬力担当を配置する。熱量のある人間をアサインする。立ち上げ期のPMは自分で担当し、全体像を把握する。
新規事業の成否は、愛情を持って泥臭く馬力で回れる人間がいるかどうか。頭脳は少数精鋭、馬力はマスト。若手の力を活かし、初動で見極め、プロダクトを作る前に売る。これが新規事業成功の王道である。
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